信楽高原鐵道は、滋賀県内の貴生川駅~信楽駅を結ぶ鉄道です
貴生川駅ではJR線と接続し、草津・京都方面へと繋がります
沿線には、信楽・紫香楽宮跡等、観光地が点在していますよ!
こちらの記事で紹介しています
歴史
開業と戦争
1933年(昭和8年)に全線開業しました
もともとは国鉄線です
戦時中は「不急不要線」として休止されていましたが、その後復活しています
不急不要線による休止とは、
政府の命令で線路を撤去されたもので、軍事に必要な線等に資材転用されたものです
実質廃止みたいなもので、そのまま廃止になった線も多くあります
戦後、地元の有志により、
信楽の陶器を輸送する目的もあり、復活に至りました
災害・事故
1954年・2013年に豪雨災害で橋梁が流されています
また、1991年には、正面衝突する大事故が発生し42名が亡くなりました
第三セクター化
1987年、国鉄からJRになってすぐ、第三セクターに以降されました
これにより、列車の本数が増加しています
今後
「びわこ京阪奈線」という構想があり、既存路線と合わせて
- 米原~貴生川:近江鉄道
- 貴生川~信楽:信楽高原鐵道
- 信楽~京田辺:新設
- 京田辺~大阪:JR学研都市線
という、ネットワークを構想中です
大阪湾エリアへの通勤、東海道線のバイパス、などの役割を期待されていますが、
筆者は、実現へ向けての動きには乏しい印象を感じています
沿線
貴生川~紫香楽宮跡
パット見でわかるくらい勾配がきついです
この1駅間で、路線の大半を占めています
急勾配・急カーブの連続で、よくこんな所に線路が残っているな、と思います(笑)
小野谷信号場
信号場とは、駅のように乗降りはできないが、列車がすれ違うことができる施設です
駅間の広い場所に設置されることが多いですね
1991年の「世界陶芸祭セラミックワールドしがらき’91」開催に向けて設置されましたが、
その年に起きた正面衝突事故後は使われておらず、1年も使用されませんでした
現在も面影はありますが、写真のとおり線路は繋がっていません
信号には「×」が表示されています
雲井駅
雲井駅は開業当初からある駅の1つで、探すと色々特徴が見つかる面白い駅です
開業当初からある駅:貴生川・雲井・信楽
駅舎
開業以来の駅舎と木が残っています
昔ながらの可愛らしい駅ですね
昔のホーム
貴生川側の先端には、昔のホームの名残が残っています
現在のホームと比べて高さが低いのが特徴です
不自然なカーブ
信楽側の先端に行くと、線路が不自然に曲がっているのを確認できます
これは、昔あったポイントの名残だと思われます
絶対にたどり着けない神社
上記ポイントから少し左を見ると、奥の方になにかの入り口が見えるかと思います
これは「稲荷神社」らしいのですが、踏切もなく、たどり着くことができません。。
田舎では、線路を日常的に横断する習慣がある所もあるそうなので、
他に道があるというよりは、線路を横断して参拝に行くのかな?と思っています
トイレ
トイレも最近まで古いまま残っていたようですが、
現在は新しくなっており、洗面台は信楽焼のオシャレなものになっています
左が駅舎、右がトイレです
駅舎に比べてトイレが立派すぎます(笑)
信楽焼きの洗面台
たぬきのお出迎え
各駅で、信楽名物のたぬきが出迎えてくれます♪
第一大戸川橋梁
勅旨駅~玉桂寺前駅にある、日本初の本格的なPC鉄道橋(プレストレストコンクリート橋)です
豪雨災害で流された橋梁の架替のために、1954年に作られたものです
フランス人技師「セルジュ・コバニコ」の設計をもとに、日本人技師が設計しました
本当に日本初?
他にも日本初のPC橋、という場所を見かけたことがあるので調べてみました
結論から言うと、鉄道橋では日本初ということだと考えられます
石川県 長生橋
「PC橋 日本初」なんかで調べるとでてきます
1952年完成と第一大戸川橋梁より古いです
ただ、こちらはプレテンション方式のため、
第一大戸川橋梁のポストテンション方式とは異なっています
福井県 十郷橋
こちらは1953年完成のポストテンション方式の橋梁です
なので、完全にこちらの方が古いと思われます
ちなみにこちらは、先程のフランス人技師「セルジュ・コバニコ」が設計したものです
桁の薄さ
スパン長に対し、桁高が小さい、薄っぺらい構造が特徴です
これは、次の理由によります
・桁高を下方向に高くする:河川断面が小さくなってしまう
・桁高を上方向に高くする:橋梁前後の土工量が増える
コンクリート製ロッカー沓
桁を支える支承には、この独特な構造が採用されています
安価かつ欧米で使用実績が多かったための様ですが、他ではあまり見かけないかなと思っています
詳しくはこちらもどうぞ
まとめ
今回は信楽高原鐵道について、ご紹介してきました!
短い路線ですが、魅力がたっぷり詰まった路線だと思います
ほかにも沿線には、いろいろな観光地が点在していますよ!
・美しい渓谷の流れ「鶏鳴の滝」
・かつての都の遺跡「紫香楽宮跡」
こちらの記事で紹介しているので、ぜひご覧ください!
また、鉄道に関する記事も、こちらでまとめています!
最後までご覧いただきありがとうございました!
コメント
信号には「×」が表示されています
→ この「信号」の「×」が点燈している際は、『進行・停止』等を示す「信号」が機能していない事を現示しているのではなく、その傍の踏切が『遮断』されている事を示しているのではありませんか…?
コメントありがとうございます。そのとおりでした。
ご指摘ありがとうございます。
「信号の使用停止とともに×印がつけられた」という内容を聞いたことがあったため、それと勘違いしておりました。